国連本部そばにカジノ=複合施設計画に反対運動―米 2025年09月07日 14時09分

【ニューヨーク時事】ニューヨーク・マンハッタンの国連本部のすぐそばに、カジノを含む大型複合施設の建設計画が持ち上がり、地域住民による反対運動が広がっている。計画地は長く未開発だったが、周辺は大きな病院や学校などがある閑静な地域で、生活環境の悪化が懸念されるためだ。
「フリーダムプラザ」と名付けられた施設は、6.3エーカー(約2.5ヘクタール)の敷地に建てられ、複数階にわたる延床面積約2.8ヘクタールのカジノのほか、公園やホテル、住宅棟などを整備する計画。現場は小さな公園を挟んで国連本部と同じ通りに面し、国連本部とは数十メートルの距離。各国首脳が集まる国連総会期間中には大規模な交通規制も実施される。
周辺地域に22年暮らし、ウェブ上で6700人以上から建設反対の署名を集めている反対運動の中心人物の一人、スールー・ジェインさん(53)は「カジノはどの地域にあっても悪影響がある」と強調。地域の安全性や交通への影響を懸念し「開発者が『手頃な価格の住宅』を強調する陰で巨大なカジノ計画が進んでいることに気付いてほしい」と訴える。
ニューヨーク州は年内に三つの施設にカジノライセンスを認定する予定で、8カ所が候補に挙がっている。ライセンス付与は地元の理解を得ていることが前提となり、フリーダムプラザについては、今月末までに地域の諮問委員会で投票が行われ、委員の3分の2以上の賛成で州での審議に進むことになる。
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