「米国は貿易戦争始めた」=関税にカナダ猛反発、メキシコも対抗 2025年03月05日 08時47分

【サンパウロ、ワシントン時事】「米国は貿易戦争を始めた。戦いから退くことはない」―。カナダのトルドー首相は4日記者会見し、トランプ米政権が発動したカナダ産品への25%関税に猛反発した。「米国では劇的にインフレ率が上昇し、数千の仕事がリスクにさらされる」と警告。ただ、関税の早期撤回を目指し、トランプ大統領との首脳会談を模索する考えも示した。
米国の25%関税の対象となったメキシコのシェインバウム大統領も同日の会見で、「正当性がない」と批判。9日に集会を開き、関税を含む対抗措置を公表する計画を明らかにした。
トルドー氏は4日、米国からの輸入品1550億カナダドル(約16兆円)相当に25%の関税を課す対抗措置に改めて言及。第1弾として、300億カナダドル相当への関税賦課を始めたと説明した上で、非関税措置も検討していると語った。
関税によるカナダ経済への打撃は避けられないとして、カナダ企業や個人を支援する考えも表明。国民に団結を訴え、「(カナダ人は)米国で休暇を過ごすのをやめ、米製品よりカナダ製品を選ぶだろう」と述べた。
トランプ氏は4日、「米国に報復関税を課せば、米国は相互関税によって即座に同じだけ関税を引き上げる」とSNSに投稿。トルドー氏を「知事」と呼び、再びやゆした。
一方、シェインバウム氏は、米国が関税発動の根拠とした合成麻薬フェンタニルの米国流入は減少していると強調。「屈辱的で根拠がない」と話し、関税発動を回避できなかったことへの悔しさをにじませた。