米ブラックロック、パナマ港湾取得へ=総額3.4兆円、トランプ氏に呼応か 2025年03月05日 09時02分

【ニューヨーク時事】米投資会社ブラックロックなどの連合体は4日、中米のパナマ運河周辺港湾の運営権を、香港の複合企業CKハチソン・ホールディングスから取得することで基本合意したと発表した。取引総額は228億ドル(約3兆4000億円)規模に達する見通し。「パナマ運河を取り戻す」と宣言するトランプ米大統領の意向に呼応したとみられる。
発表によると、連合体は港湾2港を運営・所有するCKハチソン傘下の企業が持つ権益の90%を買い取る。来月にも合意文書に署名する見込みだ。また、連合体とCKハチソンは、英独など世界各地で港湾を管理する関連会社の株式80%について、連合体が保有することでも一致した。
米国が1914年に完成させたパナマ運河は太平洋と大西洋を結ぶ海上交通の要衝。米国の管理下にあったが、99年にパナマへ全面返還した。ところが、トランプ氏は「中国がパナマ運河を運営している。われわれは中国に渡したわけではない」と主張し、返還を求める考えを示している。