ボーン・上田賞に時事・出井編集委員=北極圏の安保環境ルポ 2025年03月05日 15時06分

出井亮太 時事通信外信部編集委員
出井亮太 時事通信外信部編集委員

 優れた国際報道を通じ国際理解の促進に貢献したジャーナリストに贈られる「ボーン・上田記念国際記者賞」の2024年度受賞者に5日、時事通信の出井亮太外信部編集委員(47)と読売新聞の倉茂由美子ローマ特派員(42)が決まった。授賞式は21日、東京・内幸町の日本記者クラブで行われる。
 出井編集委員は24年5~6月、ノルウェー領スバルバル諸島などに出張し、関係国高官や住民にインタビューを重ね、ロシアによるウクライナ侵攻で生じた北極圏の「分断」の現状を詳細に伝えた。同年8~9月には海洋研究開発機構(JAMSTEC)の海洋地球研究船「みらい」による北極航海に同行。「過熱する覇権争いや資源争奪戦、さらに地球温暖化の問題を詳述した」ことが受賞理由となった。
 倉茂記者は、ウクライナ侵攻を長期にわたり現地で取材。市民虐殺や子供の拉致など戦争被害者の体験を掘り起こし、市民の目線から戦争の実態を伝えた記事が「読者に訴える力強さ」があったと評価された。
 出井編集委員は06年に時事通信入社。ニューデリー特派員、ワシントン特派員などを経て22年から外信部編集委員。倉茂記者は08年に読売新聞入社。社会部、カイロ特派員などを経て23年からローマ特派員。 

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倉茂由美子 読売新聞ローマ特派員(新聞通信調査会提供)
倉茂由美子 読売新聞ローマ特派員(新聞通信調査会提供)

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