台湾統一、2027年がカギ=中国建軍100年で圧力強化―中国全人代 2025年03月06日 18時38分

【北京時事】中国の習近平政権は硬軟織り交ぜた手法で台湾への統一圧力を強めている。米国などは、習政権が人民解放軍の創設100年に当たる2027年までに台湾武力侵攻の準備を整えるとして警戒を強めているが、中国の研究者もまた27年がカギになると見ている。
「中国軍が軍備を増強し、27年までに『国家統一』に向けた準備を整えようとしているのは確かだ」。中国政府に近い北京の大学関係者はこう語る。
27年は、習共産党総書記(国家主席)の3期目最後の年。習氏は建国の父、毛沢東と並ぶ終身指導者を目指しているとも指摘され、共産党の悲願である台湾統一に向けた成果を挙げれば、4期目への強力な後押しとなる。
習氏は23年11月に米国でバイデン大統領(当時)と会談した際、「時期は定めていない」としつつも、「台湾を統一するつもりだ」と明言したとされる。
ただ、表向き平和的統一を目指す習政権としては、自ら武力行使に踏み切ったと国際社会に見られたくない。そのため、台湾側からの「挑発」を待っている可能性がある。
同大学関係者は「28年前半の台湾総統選を前に、中国と米台の間の緊張は再び高まるだろう」と予想。再選を狙う頼清徳総統が米国と組み、台湾海峡で中国側への挑発を強める可能性があるとして、「台湾海峡の危機を引き起こすのは、中国側ではなく台湾島内の政治状況だと考える」と主張した。