米最高裁、誤送還移民の帰還命じる=トランプ政権が応じるか焦点 2025年04月11日 14時20分

【ワシントン時事】トランプ米政権の手違いでエルサルバドルに強制送還され、刑務所に収監された移民男性キルマー・アルマンド・アブレゴガルシア氏(29)について、連邦最高裁は10日、釈放と米帰還に取り組むよう政府に命じた。政権側はかねて、同氏の身柄が米国の管轄を離れたことなどを理由に対応しない姿勢を示しており、最高裁の命令に従うかどうかが焦点だ。
アブレゴガルシア氏は強制送還を免除されていたにもかかわらず、3月に誤って送還された。政権側は過誤を認めながらも、同氏がギャング組織の一員で「人身売買に関与した」と根拠を示さず主張。帰還をエルサルバドル当局に働き掛ける考えはないと説明していた。
弁護士によれば、アブレゴガルシア氏がギャングに所属し犯罪に加担した事実はない。不法移民の大規模送還はトランプ大統領の目玉政策。帰還を認めない判断を覆せば政権にとって打撃となりかねないため、「犯罪者」のレッテルを貼り送還を正当化しようとしているもようだ。