敵対半世紀、改善の道険し=米イラン、核やミサイルで反目 2025年04月12日 14時37分

【イスタンブール時事】米国とイランは、イランの核やミサイル開発、中東の親イラン勢力支援などを巡り、既に半世紀近い敵対関係が続く。トランプ米大統領は第1次政権期にも直接交渉を模索したが実現しなかった。双方の不信感は根深く、関係改善はいばらの道だ。
イランでは親米王制が崩壊した1979年のイスラム革命後、首都テヘランで米大使館人質事件が発生。翌80年に両国は断交した。米国は84年、イランを「テロ支援国家」に指定。2002年にはブッシュ米大統領(当時)がイランを「悪の枢軸」の一角と糾弾した。
イランの核開発は02年、中部ナタンズに核関連施設が秘密裏に建設されていると反体制派が暴露して発覚した。イラン政府は一貫して「平和利用目的」と主張するが、米国やイスラエルは核兵器保有を警戒する。イランが核武装すれば、サウジアラビアなど中東での核拡散の懸念が現実味を帯びる。
15年にはオバマ米政権(同)や欧州、中ロがイランとの交渉の結果、核開発制限の見返りに対イラン制裁を緩和する核合意が締結された。しかし、トランプ氏は「核の野心を止められず、ミサイル開発を放置し、テロ支援も抑え込めない」と合意を批判。18年に一方的に離脱し、「最大限の圧力」として制裁を再発動した。反発するイランは合意内容の逸脱を進め、合意は有名無実化している。
イランの核武装を阻止したいトランプ氏は、当面は核問題解決を優先して対話を進める考えとみられるが、軍事力行使をちらつかせて要求をつり上げる可能性も排除できない。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、イラン最高指導者ハメネイ師が核協議には応じるものの、ミサイル開発の制限などは断固拒否するよう命じたと報じている。