米イラン高官、核問題協議=「建設的」と評価、一部直接対話も―次回19日、合意枠組み議論 2025年04月13日 05時10分

トランプ米大統領(左)とイラン最高指導者ハメネイ師(AFP時事)
トランプ米大統領(左)とイラン最高指導者ハメネイ師(AFP時事)

 【ワシントン時事】米国とイランは12日、オマーンの首都マスカットで高官協議を開き、イランの核開発制限について議論した。オマーンを仲介役とする「間接協議」の形式を取り、次回は19日に行うことで合意。米イラン高官が短時間ながらも直接言葉を交わし、対話は建設的な雰囲気で始まった。米イラン両政府が発表した。
 米国のウィトコフ中東担当特使とイランのアラグチ外相が代表団を率いて出席し、協議は2時間半超に及んだ。第2次トランプ米政権が1月に発足して以降、米イランの本格協議は初めて。アラグチ氏は終了後、間接方式で話し合いを続けていく方針を示した。次回は「合意の枠組みを議論する」という。
 ホワイトハウスは12日に声明を出し、協議について「非常に前向きで建設的だった」と評価。「ウィトコフ特使の直接対話は双方にとって有益な結果を得るための一歩だ」と強調した。イラン外務省も「相互尊重に基づく建設的な雰囲気」で行われたと発表した。
 協議前には、トランプ米大統領が直接対面して議論を進める意向を示す一方、イラン側は最高指導者ハメネイ師の対米不信の強さを反映する形で間接協議を主張。対話形式を巡って双方の意見が食い違いを見せていた。
 実際は、両国の代表が別々の部屋からオマーンを通じて見解を伝達する間接協議を採用。終了後にウィトコフ、アラグチ両氏が「数分間」にわたり直接対話し、米側の体裁も保った。アラグチ氏は「あいさつとして話した。われわれは交渉の基礎に近づいた」と語った。
 協議では、核開発を進めるイランのウラン濃縮活動や濃縮度60%のウランの大量保有をどう制限するかに加え、トランプ政権が再開した「最大限の圧力」政策を通じて強化した制裁の緩和などが議題に上ったとみられる。オマーンのバドル外相は協議後、X(旧ツイッター)で「公正で拘束力のある合意締結が共通の目標だ」と強調した。
 ウィトコフ氏はイラン側に「可能なら、外交と対話を通じて解決するようにと大統領から指示を受けている」と説明した。トランプ氏は合意に至らなかった場合、イスラエル主導でイラン核施設の攻撃に踏み切る可能性を示唆している。 

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