「女性は生物学的概念」=多様性政策に影響も―英最高裁 2025年04月16日 23時34分

【ロンドン時事】英最高裁は16日、「女性」の法的定義は「生物学的性別」に基づくとの判決を裁判官5人の全員一致で下した。性別の概念を男女に限定するもので、出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーの権利保護などの多様性政策に影響を与える可能性がある。
英スコットランド議会は2018年に公共部門の男女バランスを規定する法律を可決した。この法律が「女性」にトランスジェンダーを含むとしたことに異議を唱えた女性運動団体「フォー・ウィメン・スコットランド(FWS)」が提訴していた。
16日の最高裁判決は、10年に施行された「平等法」が定める「女性」は「生物学的性別」であると指摘。その他の解釈は「一貫性がなく実行不可能」と強調した。
判決に対し、FWS幹部は「(判決によって)女性のためのサービスやスペースは女性のものだと安心できる」と歓迎した。一方、トランスジェンダー活動家はBBC放送に対し、英国が「(性別は男女二つのみとする)トランプ大統領の米国の足跡をたどっている」と述べた。