次期教皇選出へ「コンクラーベ」=白煙上がるまで投票―バチカン 2025年04月22日 16時48分

【パリ時事】フランシスコ・ローマ教皇が21日に88歳で死去したことを受け、次期教皇選挙「コンクラーベ」が近く行われる。現時点で飛び抜けて有力な候補はいないもようで、カトリック教会の最高指導者として世界約14億人の信者を束ねるポストの争奪戦が熱を帯びそうだ。
教皇はイエス・キリストの12使徒の筆頭ペテロの後継者とされ、次が267代目。洗礼を受けたカトリック信徒の男性なら誰でも候補となる可能性はあるが、過去600年以上にわたり、教皇の最高顧問・枢機卿から選出されることが定着している。
選挙では、ミケランジェロの絵画「最後の審判」で名高いバチカンのシスティーナ礼拝堂に枢機卿が集合。外部と接触を断って秘密投票を繰り返し、3分の2以上を得票した人物が新教皇となる。投票で選出に失敗すると礼拝堂の煙突から黒い煙、成功すると白い煙を上げて外部に知らせる。
教皇庁サイトによると、枢機卿は現在252人おり、投票権があるのは80歳未満の135人。そのうち日本出身の前田万葉氏(76)、菊地功氏(66)を含む108人はフランシスコ教皇に任命された。このため、教会改革に取り組んだ教皇の遺志を継ぐ人物が、選挙でも多くの票を集める可能性が指摘される。
次期教皇に「適任」と目されるのは二十数人。AFP通信やロイター通信は、イタリア出身で「バチカンのナンバー2」とされるパロリン教皇庁国務長官(70)ら、60~70代の数人の名前を挙げている。ただ、2013年のフランシスコ教皇選出は予想外だっただけに、「ダークホース」が健闘するシナリオもあり得る。