「起訴見送り」命令の元検察幹部に有罪=レッドブル創業者孫ひき逃げ事件―タイ 2025年04月22日 19時41分
【バンコク時事】タイで2012年に栄養ドリンク「レッドブル」創業者の孫ウォラユット氏が警官をひき逃げして死亡させた事件で、バンコクの刑事裁判所は22日、同氏の起訴を見送るよう不当に命じたとして、職務怠慢の罪で元検察幹部のネーット被告に禁錮3年を言い渡した。ウォラユット氏の事件の担当検事だったチャイナロン被告も同罪で禁錮2年とした。
ウォラユット氏は12年、高級車フェラーリを運転中、バイクに乗った警官をはねて死亡させた。タイメディアによると、同氏は17年以降、国外逃亡を続けている。20年に検察による起訴見送りの判断が明らかになると「富裕層の優遇だ」という批判が出た。
判決によると、20年に検察幹部だったネーット被告は、ウォラユット氏を起訴しないよう検察内部で命令。チャイナロン被告は、警察の捜査官らとの会議で、事故当時のウォラユット氏の車の速度を「法定の80キロ以下にする必要がある」と発言した。