中国、軍事威嚇継続へ=頼総統に「懲罰」緩めず 2025年05月20日 16時06分

中国の習近平国家主席=8日、モスクワ(EPA時事)
中国の習近平国家主席=8日、モスクワ(EPA時事)

 【北京時事】中国の習近平政権は「台湾独立勢力」の中心人物と見なす頼清徳総統に対し、軍事的威嚇を続ける構えだ。頼政権と政治対話に臨む見込みは全く無く、台湾侵攻や台湾封鎖を想定して作戦能力を着実に高めていくのは間違いない。
 「頼清徳は昨年5月の就任以降、台湾独立の姿勢にかたくなに固執した」。中国国営新華社通信は19日配信の論評記事でこう厳しく非難。頼氏は戦争を起こすトラブルメーカーだと主張した。
 これに対し頼総統は20日の記者会見で、中国こそ「侵略者」だと反論した。中国軍が4月に台湾周辺で行った演習は、頼氏が中国を「敵対勢力」と呼んだことへの「懲罰」とされ、今回も中国が何らかの軍事行動に出るとの見方がある。
 中国は台湾を自国の一部と見なす「一つの中国」原則を掲げる。表向きは協議など平和的手段で統一を実現させることを優先するが、「武力行使を決して放棄しない」(習国家主席)方針を明確にし、台湾周辺での軍事活動を繰り返している。
 習政権はトランプ米大統領が台湾問題にどう関与するのかを見極めようとしている。専門家の間では「米軍の支援がなければ台湾侵攻は成功する」との予測は多い。米中間で貿易戦争の解決に向けた交渉が進み、首脳会談にこぎ着けることができれば、台湾問題が話し合われる可能性もある。 

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