野党不参加、隣国は反発=南米ベネズエラで国会選挙 2025年05月26日 14時46分
【サンパウロ時事】南米ベネズエラで25日、国会(一院制、任期5年)選挙が行われ、ロイター通信によると、反米左派マドゥロ大統領の与党・統一社会党(PSUV)が大勝した。昨年7月の大統領選で自陣候補の勝利を訴える主要野党は、大統領に居座るマドゥロ氏に反発して不参加を決めていた。
マドゥロ政権は今回、自国領と主張する隣国ガイアナのエセキボ地域に関し、初めて「選挙区」に加えて投票を実施。ガイアナのアリ大統領は「エセキボは渡さない」と反発している。
ロイターによれば、選管当局は与党の得票率が約83%だったと発表。有権者約2100万人のうち890万人が投票したという。選管はマドゥロ政権が掌握している。マドゥロ氏は「平和の勝利だ」と強弁した。
マドゥロ政権は選挙直前、選挙を妨害しようとした疑いで野党幹部ら約70人を逮捕し、反対勢力への弾圧を強めた。野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏は選挙を「茶番」と批判し、投票に行かないよう呼び掛けた。
ベネズエラは昨年、エセキボ地域を新たな州として自国領に組み込む法律を制定した。国際司法裁判所は今月、ベネズエラに対しエセキボで選挙を行わないよう命令。ベネズエラは国内の一部地域で、住民をエセキボの有権者と見なして投票を実施した。