太陽光・風力発電課税撤回=上院可決の減税法案―米 2025年07月02日 09時54分

【ニューヨーク時事】米上院が1日可決したトランプ大統領肝煎りの大型減税法案では、採決に際し太陽光と風力発電のプロジェクトへの課税を定めた条項が削除された。先週末に与党共和党執行部案に突然盛り込まれ、野党民主党だけでなく、再生可能エネルギーが普及している州出身の共和党議員からも反対の声が上がっていた。
可決された法案は、バイデン前政権が推進した太陽光・風力発電施設整備に対する税額控除の段階的な廃止を規定。ただ、電力事業者が短期間で政策変更に対応するのが難しいため、一時検討されていた案と比べ、廃止のペースを緩めた。
再エネ施設への課税規定は土壇場で法案から外されたものの、脱炭素化の取り組みは大きく後退する。法案は製鉄に使われる原料炭については国内生産を促すために税額控除を適用。地球温暖化問題の存在を否定し、化石燃料の消費拡大を奨励するトランプ氏の考えを反映させた。