原潜計画の代替案検討を=米政権見直し、導入遅れ懸念―豪元首相 2025年07月02日 16時06分

オーストラリアのターンブル元首相(同氏の事務所提供)
オーストラリアのターンブル元首相(同氏の事務所提供)

 【シドニー時事】オーストラリアのターンブル元首相は2日、外国メディアとオンラインで会見し、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に基づく豪軍への原子力潜水艦配備計画の見直しをトランプ米政権が進めていることに関し、代替案を検討するよう主張した。米国以外から通常型潜水艦を調達することや、豪軍基地を母港化して米軍原潜を運用させることを提案した。
 バイデン前米政権時の2023年に合意した計画は、豪州が30年代に米バージニア級原潜を3~5隻購入し、その後、米英豪で次世代型原潜を共同開発するという内容。だが、「米国第一」を唱えるトランプ政権は米軍の原潜増強を優先する姿勢で、豪軍の原潜導入が遅れる可能性が懸念されている。
 ターンブル氏は「次世代型原潜が就役する見込みの40年代まで海軍力に穴ができる恐れがある。代替案は必要で、備えがないのは無謀だ」と指摘。通常型潜水艦の調達先候補として、かつて契約を破棄したフランスのほか、日本、韓国を挙げた。 

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