米、ユネスコから再び脱退へ＝「米国第一」に合致せず 2025年07月22日 21時32分
【ワシントン時事】米国務省は２２日、米国が国連教育科学文化機関（ユネスコ）から脱退すると発表した。ユネスコのアズレ事務局長に同日通告した。米政府がユネスコからの脱退を決めたのは第１次トランプ政権以来で、正式脱退は２０２６年１２月３１日の予定。
ユネスコがパレスチナを加盟国として承認していることに対し、「米国の政策に反しており、組織内での反イスラエルの言説拡散につながった」と批判。ユネスコの活動はトランプ政権の「米国第一」の外交政策と合致しないと主張した。
トランプ大統領は２期目就任後の今年２月、ユネスコ加盟について見直しを進め、９０日以内に結論を出すよう指示する大統領令に署名していた。
アズレ氏は声明を出し、「米国の発表は遺憾だが、予期していたことだ」と強調。米国の分担金の割合は８％に低下していると指摘し、財政上の懸念払拭に努めた。だが、米国の脱退に伴い、中国の影響力が拡大すると危惧する声も出ている。
米国は１９８４年にユネスコの放漫財政などを批判して一時脱退し、０３年に復帰。その後、１１年にパレスチナがユネスコに正式加盟すると分担金の拠出を停止した。第１次トランプ政権は「反イスラエル的な姿勢」を理由に１８年に脱退したが、バイデン前政権下の２３年に再加盟していた。