独、イスラエル武器輸出停止=ガザ制圧承認に非難相次ぐ 2025年08月08日 18時54分

【ベルリン、イスタンブール時事】ドイツのメルツ首相は8日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市制圧の方針を承認したことを受け、イスラエル向けの武器輸出停止を発表した。中東や欧州、国連からはイスラエルの方針に強い非難が相次いだ。
メルツ氏は声明で「さらに強硬な軍事行動で、(イスラエルの)目標がどのように達成されるか見通すことがますます難しくなる」と指摘。ガザ市民の苦境に「深い懸念」を示し、「ガザで使用される可能性のある武器の輸出を凍結する」と述べた。
ユダヤ人迫害の歴史的責任からイスラエル支持を「国是」としてきたドイツは、米国に次ぐイスラエルへの武器供給国。ガザの人道危機が悪化する中、堅持してきた親イスラエル政策が揺らいでいる。
一方、イスラエルのパレスチナ人抑圧を糾弾してきたトルコは「虐殺政策の新たな段階だ」(外務省声明)と反発。サウジアラビアも「パレスチナの同胞に飢餓をもたらす犯罪や民族浄化を断固非難する」(同)と表明した。
英国のスターマー首相は声明で「紛争終結や人質解放にはつながらず、さらに流血を招くだけだ」と批判したほか、デンマークやオランダなど欧州各国がイスラエルに方針撤回を求めた。
国連のターク人権高等弁務官も、X(旧ツイッター)に投稿された声明で「さらなる殺りくや耐え難い苦痛、意味のない破壊と虐殺を引き起こす」として、計画の即時中止を訴えた。
その他の写真
