対ロシア「協力強化と防衛力整備を」=ノルウェー軍司令官インタビュー 2025年08月24日 15時27分

インタビューに答えるノルウェー軍のアイリク・クリストファーセン司令官=20日、東京都江東区
インタビューに答えるノルウェー軍のアイリク・クリストファーセン司令官=20日、東京都江東区

 ノルウェー海軍のフリゲート艦「ロアール・アムンセン」が今月、日本に初寄港した。ノルウェー軍制服組トップのアイリク・クリストファーセン司令官が24日までに東京都内で時事通信のインタビューに応じ、ウクライナに侵攻するロシアの脅威に共に対抗するため、ノルウェーと日本が「協力関係を強化し、将来を見据えて防衛力を整備する必要がある」と訴えた。
 ノルウェーの艦艇がインド太平洋地域に派遣されるのは今回が初めて。クリストファーセン氏は、北朝鮮がロシアに派兵するなど、ウクライナ侵攻を契機として「世界は密接に関わり合うようになった」と指摘。その中で「ノルウェー船が数多く行き交うインド太平洋で『航行の自由』を維持することは、わが国にとって非常に重要だ」と強調した。
 中国については、ノルウェーにとって重要な貿易相手国だとしながらも「ウクライナ侵攻を継続するために必要な技術をロシアに提供している」と言及。「核兵器の数を増やし、世界のどの国よりも速いペースで軍備を増強している」と懸念を示した。
 ノルウェーは、自衛隊も導入するステルス戦闘機F35に搭載可能な対地・対艦ミサイル「JSM」を製造する。クリストファーセン氏は、日本との関係深化が期待できる分野として、この運用に関する知見の共有や軍事的重要性が増す宇宙開発での協力を列挙。「われわれは多くのアイデアや教訓、知識を共有できるし、産学連携を通じて軍事的近代化を図ることができる」と語った。
 アンドレアス・フロム国防副大臣もインタビューに応じ、安全保障環境の変化に伴い、日本との関係強化が「われわれにとって重要になっている」と表明。「フリゲート艦寄港は両国関係を深化させる」と述べた。 

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ノルウェー海軍のフリゲート艦「ロアール・アムンセン」の前で撮影に応じるノルウェー軍のアイリク・クリストファーセン司令官(左)とアンドレアス・フロム国防副大臣=20日、東京都江東区
ノルウェー海軍のフリゲート艦「ロアール・アムンセン」の前で撮影に応じるノルウェー軍のアイリク・クリストファーセン司令官(左)とアンドレアス・フロム国防副大臣=20日、東京都江東区

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