長いとげ、派手な姿=1億6500万年前のよろい竜化石―モロッコで発見・国際チーム 2025年08月28日 14時52分

カメの甲羅のような硬い背中やとげで身を固めた大型草食恐竜「よろい竜」のうち、尾の先がこぶ状になったアンキロサウルス類の最古の化石が、モロッコの約1億6500万年前(ジュラ紀半ば)の地層から発見された。首や腰から長いとげが多数生えた派手な姿で、異性やライバルに強さをアピールしていたと考えられるという。
同国のシディ・モハメド・ベン・アブデラ大や英ロンドン自然史博物館などの国際研究チームが28日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
アンキロサウルス類は四足歩行で、脚が短く、こぶ状の尾の先をこん棒のように振り回していたとみられる。ジュラ紀に続く白亜紀の化石が北米などで多く見つかっているが、祖先のジュラ紀の化石が少なく、どのように進化したか、謎に包まれていた。
新たに見つかった化石は長さ87センチの棒状のとげが付いた首の骨や、大小のとげが付いた背中、腰、尾の骨。2021年に肋骨(ろっこつ)の化石に基づき学名が名付けられた「スピコメルス・アフェル」と同種と判定された。
研究チームは白亜紀のアンキロサウルス類はスピコメルスに比べ、とげが短く、より実用的な「装甲」になっていると指摘。天敵の強大な肉食恐竜などが増えて闘いを積み重ねたか、見た目で異性にアピールするのではなく、ライバルと格闘して強さを示すようになった可能性があるという。