英仏独、イラン制裁復活の手続き開始=30日猶予、中ロは延長案提示 2025年08月28日 23時25分

【ニューヨーク時事】英仏独は28日、2015年の核合意についてイランの重大な違反があると国連安全保障理事会に通知し、核合意で停止した対イラン国連制裁の復活に向けた手続きを開始した。安保理が30日以内に制裁停止を継続するための決議を採択しなければ、制裁が再開される。制裁復活は「スナップバック」と呼ばれる核合意の規定に基づくもので、イランに対する圧力を強め、核協議を進展させる意図がある。
英仏独は安保理への書簡で、イランが19年以降「意図的に核合意の履行義務を怠っている」と指摘。イランの核兵器開発を阻止する手段の一環としてスナップバックを発動すると説明した。「30日の期間を活用し、外交的解決への努力を継続する」とも明記し、交渉の余地も残した。
スナップバック規定は10月中旬に期限を迎える。英仏独は、8月末までに核監視への協力に応じるなど外交的解決に向けた意志を示すようイランに求めていた。
一方、ロシアと中国は28日、スナップバック規定の期限を半年延長する決議案の最終版を理事国に配布した。記者会見したロシアのポリャンスキー国連次席大使は英仏独の手続きについて「違法だ」と訴えた。