正恩氏を「特別扱い」=中国側の配慮にじむ 2025年09月05日 10時03分

3日、中国・北京で軍事パレードを観覧する習近平国家主席(中央)、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(右手前)ら(ロイター時事)
3日、中国・北京で軍事パレードを観覧する習近平国家主席(中央)、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(右手前)ら(ロイター時事)

 【北京時事】中国の習近平国家主席は過去数日間で「戦勝」記念行事などで訪中した約30人の各国首脳らと相次いで面会したが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との個別会談をあえて最後に設定した。最高指導者としての権威を重んじる正恩氏が「大勢の中の1人」として埋没しないよう「特別感」を演出した格好だ。
 4日午後、人民大会堂に現れた正恩氏は、過去に習氏と会った際に多かった人民服姿ではなく、前日の軍事パレード時と同じくスーツに明るい色のネクタイを着用。パレードでは、周囲をきょろきょろ見回すなど各国首脳が集まる場に不慣れな様子も見せていた正恩氏だが、習氏との会談場所では落ち着いた足取りだった。中国側から「主賓」として招かれる形で、多くの首脳が集まる外交舞台でのデビューを果たした自信がうかがえる。
 一方の習氏は会談で「中朝は互いに助け合う良き隣人、良き友人、良き同志だ」と強調。両国が同じ社会主義国かつ「戦勝国」として目標や立場を共にしているとたたみかけるように語り、友好ムードの演出に尽力した。ほかの多くの首脳との会談では行わなかった少人数での茶会や宴会も設け、正恩氏への配慮をにじませた。
 正恩氏は深夜に専用列車で帰国の途に就いた。北京駅のホームにはレッドカーペットが敷かれ、中国共産党序列5位の蔡奇政治局常務委員や王毅政治局員兼外相らが盛大に見送った。 

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4日、北京で会談する中国の習近平国家主席(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(ロイター時事)
4日、北京で会談する中国の習近平国家主席(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(ロイター時事)

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