「シマウシ」でイグ・ノーベル賞=牛の虫よけにしま模様が効果―農研機構の兒嶋研究員ら・米 2025年09月19日 07時27分

18日、米東部マサチューセッツ州のボストン大で、イグ・ノーベル賞を受賞した(前列左から)京大大学院農学研究科の大石風人准教授、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)畜産研究部門の兒嶋朋貴研究員、愛知県畜産総合センターの佐藤精酪農課長
18日、米東部マサチューセッツ州のボストン大で、イグ・ノーベル賞を受賞した(前列左から)京大大学院農学研究科の大石風人准教授、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)畜産研究部門の兒嶋朋貴研究員、愛知県畜産総合センターの佐藤精酪農課長

 【ボストン時事】米東部マサチューセッツ州のボストン大で18日、独創的でユーモラスな研究を表彰する「イグ・ノーベル賞」の授賞式が行われ、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)畜産研究部門の兒嶋朋貴研究員らのグループが「生物学賞」を受賞した。研究グループは、牛を「シマウマ模様」に塗って「シマウシ」にすることでアブなどの吸血昆虫を呼び寄せづらくなることを発見した。日本人の受賞は19年連続。
 この研究では、黒い牛に白い水性塗料でしま模様を描き、通常の黒い牛と比べて寄ってくる虫の数や牛の忌避行動を比較。効果が塗料の臭いなどの影響でないことを証明するため、黒い塗料で模様を描いた牛も用意した。結果、白い模様の牛は他の2パターンに比べて寄ってくる吸血昆虫が約半分になることを発見。2019年に論文を発表した。しま模様が虫よけの効果を発揮するメカニズムについては完全には解明されていないという。 

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実験のため白いしま模様に塗られた牛=兒嶋朋貴研究員らの論文より
実験のため白いしま模様に塗られた牛=兒嶋朋貴研究員らの論文より

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