利上げ鈍化で底打ち 2024年08月16日 14時29分

日本資産運用基盤グループ・ディレクター白滝俊之氏
 米経済の軟着陸期待とハイテク株のけん引で上昇してきた日本株は、調整局面入りした。日銀のタカ派姿勢で円高が進行し、円安を追い風に上伸した日本株は、年初来の上げを吐き出した形だ。米景気後退への懸念は和らいだものの、日銀の利上げペース鈍化が底打ちの前提になる。
 米国の利下げ観測を背景に、円キャリー取引の巻き戻しが急速に進展し、ドル円相場のボラティリティー(変動率)が上昇。過度な円安は修正されたが、足元の円高基調は日本株の重しだ。
 金融市場の混乱を招いた日銀は政策姿勢を修正した。米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)やテック株が株価調整を経て、秋ごろに下げ止まれば、日経平均も4万3000円程度の上値を見込める。
 また、日本株が急上昇した要因として、東証が上場企業に求めた資本効率改善に対する海外投資家の期待の高さもあった。進捗(しんちょく)が停滞すれば、悪材料になる。

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