年末までレンジ相場 2024年08月20日 14時24分

楽天証券経済研究所シニアマーケットアナリスト土信田雅之氏
 株式市場は月初の大幅急落から戻りを試しているが、当面は経済指標や企業業績に一喜一憂する展開を余儀なくされるだろう。日経平均株価は年末に向け、3万4000~4万円を中心レンジに、振れ幅を伴って推移するとみている。
 株価急落の引き金となったのは米国の7月の雇用統計で、失業率の上昇が経験則に照らし景気後退の兆候だとみなされた。その後は小売業大手の決算などが好感され、市場に一定の安堵(あんど)感が広がったが、低所得者らの消費余力の落ち込みを示すデータもあり、先行きは予断を許さない。
 日銀は7月末に決めた利上げが円安是正を目的にしていたと受け取られ、円キャリー取引の急速な巻き戻しを招いた。今後は、金融政策を正常化に向かわせる理由を「企業の構造改革が進み、デフレ脱却を実現したため『金利ある世界』に戻る」といった形で正面から説明できるかが問われる。

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