上下振れやすい状態 2024年08月23日 14時18分

ニッセイ基礎研究所研究員・森下千鶴氏
 日経平均株価は3万8000円前後まで回復したが、ボラティリティー(変動率)の高さが目立つ。為替相場や要人発言などで上下いずれにも振れやすい状態だ。
 日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)自体は変わらない。7月11日に記録した日経平均の最高値まで一気に戻すのは難しいが、徐々に落ち着きを取り戻すだろう。レンジは3万6000~4万円を想定する。ただ、戻り売りが上値を抑える可能性も考えられる。
 為替は引き続き懸念材料だ。市場が見込む日銀の利上げ、米国の利下げがいずれも緩やかに進むことを確認できると、再び円売りのポジションが積み上がるだろう。為替の急激な変動が抑制できれば、日本株も緩やかな上昇が期待できる。
 一方、日銀の利上げペースが加速したり米経済指標が悪化したりする展開になった場合、一気に下落してリスクオフの流れになる。

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