見通せない4万円台定着 2025年02月26日 14時28分

日本資産運用基盤グループ・ディレクター白滝俊之氏
 昨年8月の日本株急落以降、レンジ相場を抜ける材料がない。物価と賃金の上振れを考慮すると、日銀の追加利上げの間隔が短くなるという思惑が背景にある。日経平均株価の4万円超えの定着は見通せない。
 トランプ米政権の関税引き上げ措置を巡る不透明感が払拭されない限り、上値は重たいままだろう。2025年3月期決算を控え、円高方向に振れつつある為替相場も懸念される。
 需給面では、23~24年に好調だった外国人投資家の買いが期待できない。連日のようにウクライナ情勢が大きく動き、欧州株は停戦を織り込んでいる。材料のない日本株は、欧米の株価指数に対し劣後している状態だ。
 国内では政権基盤が弱体化しており、日本株の不安定要素は大きい。米国株と連動してレンジ相場を抜ける可能性はあるものの、外部環境の変化に依存している。持続的な株高にはつながらないだろう。

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