地銀再編なら「全力サポート」=地域経済活性化へ―金融庁長官 2025年08月08日 18時03分

インタビューに答える金融庁の伊藤豊長官=7日午前、東京都千代田区
インタビューに答える金融庁の伊藤豊長官=7日午前、東京都千代田区

 金融庁の伊藤豊長官がインタビューに応じ、地方銀行の再編について「良質な地域金融サービスの提供に貢献するのであれば、統合や合併を全力でサポートする」と述べた。地域金融機関の経営に関しては、「非金融ビジネスとどう協働するかも重要なポイントになる」と強調した。
 7月に就任した伊藤氏は、地域経済の活性化を目指す上で、「経営基盤を持続的なものにするには、再編や業務の共通化、非金融事業者とのコラボレーションが選択肢に入る」と指摘。日銀の利上げによって金融機関の収益は改善傾向にあるが、「これから(環境は)どんどん変わるので待ったなしだ。今、経営判断してもらわないといけない」と訴えた。
 金融庁は公的資金注入制度の延長や拡充を盛り込んだ「地域金融力強化プラン」を年内に策定する方針だ。自然災害時に金融機能を維持するため、「バックアップする仕組みを整えたい」との考えを示したほか、合併・経営統合時に活用できる交付金制度の改善にも意欲を見せた。
 一方、東日本大震災後に公的資金が注入された福島県のいわき信用組合では、悪質な不正融資が発覚した。伊藤氏は「資本参加した先の経営管理や不正防止は最低限のこととして、適切な業務運営を確保する必要がある」と語った。
 近年、金融界で自動車保険金の不正請求や貸金庫窃盗などの不祥事が続発。伊藤氏は「表面的な対応ではまた問題が起きる」と、根本的な原因を突き止めた上で改革に取り組むよう求めた。 

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