東京株、一時1700円超安=米「相互関税」で動揺続く 2025年04月09日 14時10分

9日の東京株式市場は全面安の展開となり、日経平均株価は一時1700円超下落した。トランプ米政権が、貿易赤字が大きい国・地域に対する相互関税を同日発動。中国は報復姿勢を見せており、通商摩擦激化への懸念から幅広い銘柄が売られるなど市場の動揺が続いた。終値は前日比1298円55銭安の3万1714円03銭。
8日の米国の主要株価指数は、相互関税を巡る交渉進展への期待から上昇して開始。しかし、中国に104%の高関税を課す方針が示されたことで期待がしぼみ、下落して終了した。
9日の東京市場も業種を問わず、売りが広がった。日経平均は7日に2644円安と過去3番目の下落幅を記録した後、8日は1876円高と過去4番目の大幅上昇となったが、9日は急反落。トランプ関税の世界経済への影響や米国と対象国との交渉の行方など不透明要因は多く、市場では「投資の前提となる企業業績の予測は難しく、投資家は買い姿勢に転じにくい」(大手証券)との声が聞かれた。
一方、東京外国為替市場の円相場は9日、一時1ドル=144円台半ばに急伸した。リスク回避の動きが強まり、安全資産とされる円が買われた。
ベセント米財務長官は、関税を巡る日本との協議で為替についても議論すると表明。対米輸出に有利な円安に不満を示すトランプ大統領の意向をくみ、円安是正を求めてくる可能性があり、市場関係者は「日銀の追加利上げを要請するとの思惑から、円買いが入っている」(シンクタンク)と指摘した。午後5時現在は145円51~54銭と前日比1円92銭の円高・ドル安。