11月へ上値試す 2024年08月29日 14時31分
松井証券シニアマーケットアナリスト窪田朋一郎氏
株式市場は米国のインフレ沈静化を背景に投資家心理が改善している。日経平均株価は米大統領選の結果が出る11月に向けて振れ幅を伴いつつ上値を試し、4万1000円を目指すだろう。
米国市場では、大統領選で民主党候補のハリス副大統領が勝利するシナリオを軸に環境関連銘柄が堅調だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに向かう一方、日銀は金融引き締めを進めており、為替市場では一時の行き過ぎた円安が修正された。輸入コスト低下の恩恵を受ける内需関連銘柄の好調な展開が続きそうだ。
懸念は9月の自民党総裁選の行方だ。世論調査で支持率が高い小泉進次郎元環境相や石破茂元幹事長は、経済政策の立場がはっきりしない。金融所得課税強化を優先事項に据えるなど資本市場への理解に乏しい人が次の首相に就けば、株価は上値を抑えられる。日経平均の下値めどは3万7000円だろう。