米住宅価格、過去最高値に=大統領選争点に浮上 2024年08月31日 15時08分
【ワシントン時事】米国の住宅価格が史上最高値圏で推移している。「誇りの象徴」(ハリス副大統領)である持ち家の購入が困難さを増す中、11月の大統領選で民主党から立候補するハリス氏は住宅購入時の頭金支援などを打ち出した。一方、共和党候補のトランプ前大統領はこうした「ばらまき」が一段の価格高騰を招くと批判。住宅問題は選挙戦の争点に浮上している。
米住宅価格の代表的な指数は6月、過去最高を更新。米不動産業者協会によると、西部カリフォルニア州サンノゼでは4~6月期、中古一戸建て販売価格の中央値が全米都市部で初めて200万ドル(約2億9000万円)を突破した。
こうした価格上昇は、コロナ禍をきっかけとした郊外への一時的な住宅需要シフトが「数年かけて価格へ反映された」(米エコノミスト)ことが背景とみられる。さらに、インフレ退治を目指した連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げが住宅ローン金利を押し上げ、「マイホームの夢」の実現を一段と遠ざけている。
ハリス氏は経済政策の中心に、300万戸の住宅建設促進や、初めての住宅購入者400万人超に対する平均2万5000ドル(約360万円)の頭金支援など、住宅対策を据えた。住居確保が「多くの世帯にとって大きな痛み」(ホワイトハウス高官)となっていることに配慮した形だ。
一方、頭金支援には、住宅需要を補助金で不必要に刺激する「ばかげた措置」(米専門家)と批判の声も上がる。トランプ氏は米メディアインタビューで、住宅不足を加速させ、価格上昇を招く「大きな間違いだ」と切り捨てた。