政権・共和、強硬姿勢=民主「医療保険守る」―米政府機関閉鎖 2025年10月02日 14時07分

1日、米ホワイトハウスで記者会見に参加し、発言するバンス副大統領(AFP時事)
1日、米ホワイトハウスで記者会見に参加し、発言するバンス副大統領(AFP時事)

 【ワシントン時事】米政府機関の一部閉鎖を受け、トランプ政権や与党共和党は野党民主党の対応を厳しく批判している。バンス副大統領は民主の切り崩しに自信を見せ、強硬な姿勢を崩していない。これに対し、民主は来年の中間選挙を見据え、「医療保険を守る」と徹底抗戦の構えだ。
 バンス氏は1日のレビット大統領報道官の記者会見に急きょ参加。民主が、予算案に盛り込むよう求めている医療保険補助の延長で恩恵を受けるのは不法移民だとして、「民主は不法移民の利益のために政府を閉鎖した」と決め付けた。さらに「誠実に交渉しない人たちは切り捨てる」と言い放った。
 また、ジョンソン下院議長(共和)も、テレビ番組で民主を非難。与野党協議が合意に至らないのは民主上院トップのシューマー院内総務が「党内の極左を意識して行動しているからだ」と述べた。
 財政資金を確保するつなぎ予算案は、上院で否決されたものの、共和案に対して一部の民主議員が賛成に回った。バンス氏は「穏健派の一部が(閉鎖の)非論理性に気付き始めている。一人ずつ説得していく」と強調した。
 一方、民主指導部は医療保険の対象は低所得層であって不法移民ではないと反論。政権や共和に譲歩する気配はない。シューマー氏と下院トップのジェフリーズ院内総務は1日、連名で声明を発表し、「トランプ大統領と共和が政府を閉鎖した。国民の医療を守るつもりがないからだ」と指摘した。
 民主は、中間選挙の争点として医療保険の維持を掲げる戦略を描いている。重鎮のペロシ元下院議長はX(旧ツイッター)に、「皆さんの医療保険のために闘い続ける」と訴えた。 

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