ローマ教皇からの批判に反発=米政権、移民政策巡り 2025年10月03日 14時11分

ローマ教皇レオ14世=1日、ローマ郊外カステル・ガンドルフォ(EPA時事)
ローマ教皇レオ14世=1日、ローマ郊外カステル・ガンドルフォ(EPA時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領が移民政策などを巡り、米国出身のローマ教皇レオ14世からの批判に直面している。キリスト教保守派を支持基盤とするトランプ氏にとって、教皇からの批判は大きな打撃。支持層には教皇への反発が広がっている。
 欧州メディアによると、教皇は9月30日、イタリアで一部記者団の取材に応じ、「『私は妊娠中絶に反対だが、米国における移民への非人道的な扱いには賛成だ』と言っている人は、果たして『生命尊重』なのか」と述べた。さらに「国防長官から戦争長官への変更も懸念されるものだ。単なる表記であると願いたい」と語り、トランプ氏が進めた国防総省の名称変更にも懸念を示した。
 トランプ氏は昨年の大統領選で、中絶禁止を求めるキリスト教保守派の支持を受けて勝利した。選挙戦では「生命尊重」を掲げ、中絶容認の民主党をけん制してきた経緯がある。
 トランプ氏は一方で、不法移民を「けだもの」と非難し、強引な手法で取り締まりを進めてきた。こうした中絶・移民政策を巡る矛盾を、教皇に突かれた格好だ。
 レビット大統領報道官は1日の記者会見で「米国が不法移民に非人道的な扱いをしているという指摘を否定する」と反論。その上で、根拠もなく「前政権では非人道的な扱いがあった」とバイデン前政権への批判を展開した。
 キリスト教系メディアには教皇支持の論調もある一方、トランプ氏の熱烈な支持者は反発。保守系活動家ジャック・ポソビエック氏はSNSで「レオ(教皇)は間違っている」と不満を隠さず、保守系ポッドキャスト番組司会者のアリー・ベス・スタッキー氏も「ひどい、左翼の論理だ」と切り捨てた。
 教皇は5月の就任以降、米政治とは距離を置いてきた。しかし、就任前にはSNSで、トランプ氏を批判する内容の投稿を共有していた。 

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トランプ米大統領=9月30日、ワシントン(EPA時事)
トランプ米大統領=9月30日、ワシントン(EPA時事)

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