円急落、150円台後半=利上げ慎重姿勢で、4カ月ぶり安値―東京市場 2025年08月01日 10時21分

植田和男日銀総裁=7月31日、東京都中央区(AFP時事)
植田和男日銀総裁=7月31日、東京都中央区(AFP時事)

 1日午前の東京外国為替市場の円相場は、1ドル=150円台後半に急落した。3月28日以来、約4カ月ぶりの安値水準。7月31日の日銀金融政策決定会合後に行った植田和男総裁の会見で、日銀が追加利上げに慎重と受け止められ、円売り・ドル買いが加速した。正午現在は、150円75~77銭と前日比1円37銭の円安・ドル高。
 植田氏は会見で、トランプ米政権の関税政策を巡る日米交渉は合意したものの、国内外の経済・物価動向の不確実性はなお高いとの認識を表明。「今後はっきりした影響が少しずつ出てくる局面に入る」と、関税の影響を踏まえて利上げの時期を慎重に見極める考えを示した。
 市場関係者は「影響を見極めるには2、3カ月かかる。日銀が年内に利上げするのは難しい」(資産運用会社)と指摘。「円相場は年内に155円まで下落する可能性がある」(同)との見方を示した。
 植田氏の会見の前には、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、早期利下げに慎重な姿勢を示したことも、円売り・ドル買い要因となった。 

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