〔NY外為〕円、144円台後半(10日午前11時) 2025年04月11日 00時26分

 【ニューヨーク時事】10日午前のニューヨーク外国為替市場では、米中の貿易戦争激化への警戒感が根強い中、リスク回避の円買い・ドル売りが加速し、円相場は一時1ドル=144円54銭近辺まで上伸した。午前11時現在は144円60~70銭と、前日午後5時(147円70~80銭)比3円10銭の大幅な円高・ドル安。
 トランプ米大統領は9日発動した相互関税第2弾について、貿易相手国ごとに設定した上乗せ分を中国を除いて90日間停止する方針を表明。これを受けて、世界的な貿易摩擦激化への懸念が後退する中、円安・ドル高が進み、円は一時148円台前半に急落していた。この日はリスクオフの巻き戻しが一巡。米政権が発動した相互関税を巡り、中国は米国からの全輸入品に報復関税をかけ、徹底抗戦する構えを改めて表明しており、米中の貿易戦争の一段の激化は必至とみられている。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、リスク回避的な円買い・ドル売りが加速。株式市場の地合いも悪化し、ダウ平均株価の前日比での下げ幅は一時1100ドルを超えた。
 米労働省が朝方発表した3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇と、伸びは前月(2.8%上昇)から大幅に縮小。上昇率の鈍化は2カ月連続となり、市場予想(2.6%上昇=ロイター通信調べ)を下回った。足元のインフレ緩和を裏付ける結果となったが、米政権の高関税政策で物価上昇が再加速する可能性も警戒されており、市場の反応は限定的だった。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1170~1180ドル(前日午後5時は1.0945~0955ドル)、対円では同161円60~70銭(同161円67~77銭)と、07銭の円高・ユーロ安。

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