〔米株式〕ダウ急落、1312ドル安=ナスダックも安い(10日午前11時34分) 2025年04月11日 00時39分

 【ニューヨーク時事】10日午前のニューヨーク株式相場は、米中の貿易戦争激化に対する警戒感が根強い中、大幅反落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均の下げ幅は前日終値比で一時1300ドルを超えた。午前11時34分現在は、ダウ平均が前日比1312.52ドル安の3万9295.93ドル、ハイテク株中心のナスダック総合指数が790.61ポイント安の1万6334.36。
 トランプ米大統領は9日午後、同日発動したばかりの相互関税について、貿易相手国ごとに設定した上乗せ分を90日間停止すると表明した。市場に安堵(あんど)感が広がり、相場は急反発。ダウ平均は過去最大の上げ幅を記録した。
 しかし、トランプ氏は中国にかける関税は猶予しないとし、税率を計145%へさらに引き上げた。欧州連合(EU)は対米報復措置の発動保留を決めており、米中2国間の貿易戦争に発展した形。中国は10日、予定通り米国からの全輸入品に84%の追加関税の適用を開始。追加の報復措置も検討しているもようで、市場の動揺は続いている。
 一方、朝方発表された米経済指標は、インフレの落ち着きと労働市場の軟化を示唆する内容。3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比2.4%と、前月の2.8%から鈍化し、最新週の新規失業保険申請は22万3000件と前週から4000件増加した。これを受け、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動きやすくなるとの観測も出ている。

前日からの主な出来事