〔NY金〕3日続伸、3177.50ドル=1週間ぶり最高値更新(10日) 2025年04月11日 04時46分
【ニューヨーク時事】10日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中の貿易摩擦激化への懸念やドル下落に伴う割安感を背景に買いが膨らみ、3日続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比98.10ドル(3.19%)高の1オンス=3177.50ドル。中心限月の清算値ベースで4月2日以来、約1週間ぶりに過去最高値を更新した。
トランプ米大統領は9日発動した相互関税第2弾について、報復していない貿易相手国への上乗せ分適用を90日間停止することを決定。一方、中国に対しては相互関税の税率を125%に引き上げる措置を表明した。中国政府は10日、米相互関税の報復措置として、米国からの全輸入品に84%の追加関税を賦課。中国は米国に徹底抗戦の方針を改めて宣言しており、米中の貿易戦争が一段と激化するとの警戒感が台頭。投資家のリスク警戒感の高まりから、安全資産としての金需要が加速した。
外国為替市場で、ドル安・ユーロ高が進み、ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いも入りやすかった。
米労働省が朝方発表した3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇した。伸びは前月(2.8%上昇)から大きく縮小し、2024年9月以来半年ぶりの低水準となった。上昇率の鈍化はこれで2カ月連続。これを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月に利下げを再開するとの期待が再燃。利子の付かない資産である金の投資妙味を増し、買い地合いを促す一因になったという。