〔NY石油〕WTI反落、60.07ドル(10日) 2025年04月11日 04時58分

 【ニューヨーク時事】10日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中貿易戦争の激化をめぐる警戒感が根強い中を売りが優勢となり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は、前日比2.28ドル(3.66%)安の1バレル=60.07ドルだった。6月物は2.19ドル安の59.63ドル。
 トランプ米大統領は9日午後、相互関税をめぐり、貿易相手国ごとに設定した上乗せ分を90日間停止すると表明した。ただ、対中関税についてはさらなる引き上げを表明、税率を計145%とした。中国は10日、報復措置として、予定通り米国からの全輸入品に84%の追加関税の適用を開始した。経済大国である米中の貿易戦争激化が世界的な景気減速を招くとの観測は根強く、米株式相場が大幅安となった。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、株式と並ぶリスク資産とされる原油にも売りが及んだ。前日の急伸の反動から利益確定の売りも出やすかった。
 また、米エネルギー情報局(EIA)は10日に公表した月間の短期エネルギー見通しで、世界の関税政策や石油生産をめぐる最近の変化により、2026年までの世界の石油需要の伸びが減速するとの見通しを示した。エネルギー需要見通しへの警戒感も加わり、原油の売りを後押しした面もあった。
 ▽ガソリン=反落。中心限月5月物の清算値は7.71セント安の1ガロン=196.13セント。
 ▽ヒーティングオイル=反落。5月物の清算値は6.72セント安の1ガロン=204.64セント。

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