当面はボックス相場
コモンズ投信社長・伊井哲朗氏 2024年05月01日 15時31分

 東京株式市場は3月にかけて騰勢を強めた後、スピード調整が続いている。現在、上値を買い進む材料の出現を待って積極的な買いを見送る雰囲気が強い半面、株主への利益還元強化の流れから株価が大幅に下落する余地は小さそうだ。今夏までの日経平均株価は、3万7000~3万9000円で推移するボックス相場となるだろう。
 2024年度の想定為替レートを1ドル=140~145円程度に設定する輸出企業が多いとみている。足元では一時160円台まで円安・ドル高が進んでおり、年度途中に業績見通しを上方修正する企業が続出する可能性は高いだろう。
 例年のことではあるが、業績予想が未達に終わることを嫌って期初は保守的な見通しを公表する企業が多いものだ。4~9月期決算を踏まえて利益見通しの上方修正を織り込むとともに、配当の積み増しや自社株買いへの期待が高まり、株価が上昇していくのは秋以降になりそうだ。

私の相場観