下値不安は消えた
アイザワ証券ファンドマネージャー三井郁男氏 2025年05月13日 14時40分

 米国の関税政策が景気や企業業績に与えるマイナス影響はいまだに見通しにくい。現在と状況が変わらなければ、日経平均株価の年内の上値は4万円がめどになるだろう。米国と各国による関税交渉の進展や、日本企業が自社株買いを機動的に実施することを併せて考えると、下値不安はだいぶ消えてきたと言える。
 これまで発表された決算では、関税影響が不透明な中でも多くの企業が今期の業績予想を開示した。今年の上場企業の自社株買いも、昨年を上回るペースだ。日本企業が株価や資本効率を本格的に意識し始めている証拠だ。
 海外を含む投資家に日本企業の変化が伝われば、日本市場への見方が一段と改善されるだろう。この結果、近年米国に集中していた資金が分散するときの受け皿に日本がなれれば、年末に向けてさらに戻りを試す展開も予想され、年内4万2000円も視野に入る可能性がある。

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