トランプショック緩和へ
岩井コスモ証券投資調査部長・有沢正一氏 2025年05月15日 14時25分
米政権の高関税政策を受け、4月初旬に株価が急落したが、市場は徐々に「トランプショック」に慣れつつある。今後、ショックは少しずつ緩和され、株価は下値を切り上げていくとみる。
公表が続く2026年3月期業績予想では、「非開示」とする企業が意外と少ない印象だ。投資家サイドとしては、不透明ながらも先行きの手掛かりが出てきた。企業の自社株買いも目立っており、資本効率向上への姿勢は海外からも評価されやすくなっている。米との関税交渉は予断を許さないが、仮に不調に終わっても日経平均株価は3万1000円を割り込むことはないだろう。
今月後半以降、3万8000~4万円のボックス相場での推移が予想される。夏場にかけては、参院選の結果で政局が不安定になったり、実質賃金の低下傾向が回復しなかったりといった懸念は残る。ただ、それを乗り切れば年末に向けて、4万2000円をうかがう展開もあるだろう。