ペルー大統領のロレックスに疑惑の目=「汗水垂らしたたまもの」? 2024年04月05日 14時18分

ペルーのボルアルテ大統領=2023年10月、リマ(AFP時事)
ペルーのボルアルテ大統領=2023年10月、リマ(AFP時事)

 【サンパウロ時事】南米ペルーのボルアルテ大統領がはめていた複数のスイス製高級腕時計ロレックスに疑惑の目が向けられている。本人は「汗水垂らして働いたたまもの」と主張するが、資産申告せずに所有していると告発され、司法当局は不正蓄財の疑いで強制捜査に着手。ペルーでは歴代大統領の不正が珍しくなく、支持率が1割を割り込むボルアルテ氏も国民の厳しい視線にさらされている。
 新興メディア「エンセロナ」がボルアルテ氏を捉えた1万枚以上の公式写真を分析した結果、同氏が複数のロレックスを持っている可能性があると報じたことが発端となった。同氏は2022年12月の大統領就任後、ロレックスを着けるようになった。最大4本所有しているとみられている。
 一連の報道によると、大統領や議員は約1万ソル(約41万円)以上の資産を申告する義務があるが、1本数百万円相当のロレックスについて、ボルアルテ氏の申告はない。公務員出身の同氏は大統領としての月額報酬が約1万5000ソルで、自分で購入したという主張は説得力に乏しい。
 当局は3月末、ボルアルテ氏の執務室や自宅を捜索。捜査は他の宝飾品や出どころの分からない預金にも及び、疑惑は深まった。
 ペルー国会は4日、ボルアルテ氏の弾劾手続きに関する決議案を審議したが、反対多数で否決。だが、捜査の行方次第では、新たな決議案が提出される可能性がある。ペルーでは過去6年間で大統領の交代が5回起きるなど政情不安が慢性化。ボルアルテ氏自身も、汚職疑惑をきっかけに罷免されたカスティジョ前大統領の後任として、副大統領から昇格している。 

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