長ネギ持ち込み禁止で物議=大統領批判のシンボル―韓国総選挙 2024年04月09日 06時12分

長ネギを貼り付けたヘルメットを掲げる韓国最大野党「共に民主党」の李在明代表=6日、龍仁市(AFP時事)
長ネギを貼り付けたヘルメットを掲げる韓国最大野党「共に民主党」の李在明代表=6日、龍仁市(AFP時事)

 【ソウル時事】10日投開票の韓国総選挙で、投票所への長ネギの持ち込みが禁じられ、物議を醸している。野党が尹錫悦政権を批判する際のシンボルとなっており、中央選挙管理委員会が政治的な表現とみなしたためだ。
 3月に農協のスーパーの視察に訪れた尹錫悦大統領が「1束875ウォン(約98円)」の長ネギの特売品を見て「合理的な価格だ」と述べたのが発端。韓国では農産物価格が高騰し、大型スーパーなどでははるかに高い値段で売られており、庶民感覚とのずれを指摘する声が相次いだ。
 それ以降、最大野党「共に民主党」や、比例代表で支持を伸ばす「祖国革新党」の選挙活動に長ネギが登場している。韓国語で長ネギを表す「テパ」は「大破」と発音が同じため「政権を大破しよう」との意味合いもある。
 「長ネギ禁止」に抗議する野党に対し、与党「国民の力」は共に民主党の李在明代表が京畿道知事だった頃に同氏の妻が公務用クレジットカードを私的に使用していた疑惑で裁判中であることを念頭に、「公務用カードは持ち込んでもいいのか」と皮肉った。選管は「本来の用途を超えて政治的表現の道具として使用する場合、選挙に影響を及ぼす恐れが非常に大きい」と判断を正当化したが、ネット上では「あきれた」「幼稚だ」との声も上がった。 

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