イスラエル、ラファ侵攻延期か=イラン対応に集中―報道 2024年04月16日 15時22分
【カイロ時事】米CNNテレビ(電子版)は15日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの軍事侵攻を延期したと報じた。イスラエルの複数の関係筋の話としている。イスラム組織ハマスの最後の拠点があるとして、ネタニヤフ政権はラファに侵攻することを計画していたが、イスラエルへの大規模攻撃を実施したイランへの対応に集中しているためだという。
ラファには約150万人の避難民らが身を寄せているとされる。ネタニヤフ首相は、ハマス最後の大隊があるとして、地上侵攻すると繰り返し明言。だが、米国は民間人の犠牲が拡大することを懸念し、強く反対している。
CNNによれば、軍は15日に地上侵攻の準備として退避を呼び掛けるとみられるビラを空からまく予定だったが、イランによる攻撃後、延期を決めた。イスラエル当局者の一人はCNNに、ラファ侵攻を実施する方針を変えていないものの、民間人の退避時期などは未定の状態だと語った。
AFP通信によると、イスラエル軍のハガリ報道官は14日夜、「イランから攻撃を受けている最中でも、ガザの人質救出という重要な任務を見失うことはない」と指摘。イランへの対応と並行してハマスへの軍事作戦を続けると示唆した。
一方、イスラエルとハマスの戦闘休止に向けた交渉で、ハマスが最新の休戦案を拒否したことに関して、米国務省のミラー報道官は15日、「イスラエルは重要な動きを見せた。獲得したいと思っている多くの条件を提示されたのに、ハマスは受け入れなかった」と明らかにした。その上で、米政府としてあくまで最低6週間の休戦実現を目指すと強調した。