EV、3割値下げも=価格競争が激化―中国 2024年04月26日 15時37分
【北京時事】中国で国内外の自動車メーカーが激しい価格競争を繰り広げている。開催中の北京国際モーターショーでも、自社製品の手頃さをこぞってアピール。中国メディアによると、値引きの対象は主に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)といった新エネルギー車(NEV)で、今年に入り3割下がった車種もある。
「当面、特別価格で販売する」。ホンダはショーに合わせて発売するEVについてこう説明した。同社によると、発売直後から値下げに踏み切るのは異例。業界関係者は「シェアを維持するための苦渋の選択だろう」と分析する。
中国では、EV最大手の比亜迪(BYD)が2月に主力車種を値下げしたことをきっかけに価格競争が激化。3月末には家電大手の小米科技(シャオミ)がコストパフォーマンスの高さをうたった同社初のEVを発売し、理想汽車や米テスラも値下げで対抗した。
BYDは今回のショーで公表した新型PHVを12万元(約260万円)で販売すると発表。ブースにいたインフルエンサーの女性は「価格は重要な要素だ」と断言した。
中国メディアによると、中国では100を超える企業がNEV事業に参入。国家発展改革委員会は各社の供給台数が需要を上回っているとして、値下げがさらに進むとの見方を示した。先の業界関係者は、一部のメーカーを除き利益が出ていないと指摘。「多くの企業は将来、市場からの撤退を強いられるだろう」と予想した。