反イスラエル、祭典に影=「ユーロビジョン」決勝―スウェーデン 2024年05月11日 15時57分
【マルメ(スウェーデン)時事】欧州最大の国別対抗の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」決勝戦が11日、スウェーデン南部マルメで開かれる。多数の犠牲を出すパレスチナ自治区ガザ侵攻を続けるイスラエルの参加が物議を醸し、政治論争に発展。反イスラエルの大規模デモが行われ、当局は混乱回避のため警備を強化している。
7日に開幕したユーロビジョンは、欧州や周辺国など37カ国のアーティストが優勝を目指して順位を競う。このうちイスラエル代表の女性歌手エデン・ゴランさんを巡り、ガザ侵攻への抗議から出場禁止やボイコットを求める声が続出。ゴランさんは9日の準決勝を勝ち抜き決勝進出を決めたが、パフォーマンス中に群衆からブーイングが起き、脅迫状も送り付けられたとされる。
ゴランさんは「国を代表でき光栄に思う」とステージに立ち続ける考えを強調。イスラエルのネタニヤフ首相は動画で「あなた(ゴランさん)は既に勝利を手に入れた。誇りを持って参加しただけでなく、恐ろしい反ユダヤ主義の波と対決して成功を収めているからだ」と述べた。
会場周辺では9日、パレスチナ旗やイスラエル批判のポスターを掲げた推定1万人以上がデモ行進。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんもパレスチナ伝統のスカーフを身にまとい加わった。決勝当日の11日も、各地で多数が抗議行動を繰り広げた。