ヒズボラ、レバノン停戦で「勝利」主張=イスラエル軍は依然駐留 2024年11月28日 07時30分

27日、レバノンの首都ベイルート南郊で、イスラム教シーア派組織ヒズボラの旗を掲げる人々(EPA時事)
27日、レバノンの首都ベイルート南郊で、イスラム教シーア派組織ヒズボラの旗を掲げる人々(EPA時事)

 【カイロ時事】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは27日、イスラエルとの停戦について声明を出し、レバノン南部の集落を占拠するイスラエル軍の試みは失敗したなどと主張し「勝利を収めた」と宣言した。その上で、「イスラエルの攻撃に対処するための態勢を維持する」と表明した。26日の停戦発表後、ヒズボラが公式にコメントを出すのは初めて。
 レバノンでは27日の停戦発効を受け避難民の帰還が始まり、レバノン軍も南部への展開を開始した。しかし、南部には依然、イスラエル軍が駐留。同軍報道官は、立ち入り禁止区域に接近した「容疑者」を拘束したほか、「テロリストを殺害した」と発表した。
 イスラエル軍のハレビ参謀総長は、レバノン南部の部隊や対イスラエル国境地帯、指定された集落に接近したヒズボラ戦闘員は「攻撃を受ける」と警告。レバノン側もイスラエル軍の駐留地域に近づかないよう国民に呼び掛けた。イスラエルのメディアは、停戦履行に当たり、ヒズボラと数日程度の戦闘が発生する可能性があるとの軍の見通しを伝えた。
 レバノンでの停戦が呼び水となり、パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘も終結に向かうとの期待が高まっている。ロイター通信は、停戦交渉を仲介するエジプトの代表団が28日にイスラエルを訪問すると報じた。イスラエル軍は26日夜から27日未明にかけて、ガザ北部の学校を攻撃したと公表。ハマス戦闘員が活動していたと指摘した。 

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