ガザ北部で再び激しい地上戦=「ハマスが態勢立て直し」―パレスチナ人死者3万5000人 2024年05月12日 07時45分
【カイロ時事】イスラエル軍は12日、パレスチナ自治区ガザ北部のジャバリヤで、イスラム組織ハマスと激しい地上戦を行った。パレスチナのメディアが伝えた。軍は、ハマスがガザの複数箇所で「(態勢を)立て直そうとしている」と指摘。11日にジャバリヤに空爆を加えていた。
ガザ当局者はロイター通信に、イスラエル軍がジャバリヤに戦車を展開していると説明した。これまでにパレスチナ人19人が死亡したという。軍は昨年10月のガザ侵攻以来、北部で地上戦を実施し、今年1月には北部のハマスの部隊を解体したと発表していた。ガザ保健当局の12日の発表によると、ガザ侵攻に伴うパレスチナ人の死者は3万5000人を超えた。
イスラエル軍は11日、ジャバリヤの住民約10万~15万人に避難を呼び掛けた。最南部ラファでも退避勧告の対象地域を拡大。ラファから約30万人が「人道地域」に向け避難したと発表した。これについて欧州連合(EU)のミシェル大統領はX(旧ツイッター)で、「安全とは言えない場所への退避勧告は容認できない」と批判した。
ハマスはこれまでも、イスラエル軍が制圧した地域に復帰して拠点を再構築してきた。イスラエルのメディアは、ハレビ軍参謀総長がネタニヤフ首相に対し、ガザの「戦後統治」の具体的動きがない中では、ハマス解体のため「何度も作戦を実施しなければならない」と不満をぶつけたと伝えた。