イスラエル工作員が製造関与か=レバノンのポケベル爆発―米報道 2024年09月19日 14時58分

レバノン各地で爆発したポケットベル型通信機器の残骸=18日、ベイルート郊外(AFP時事)
レバノン各地で爆発したポケットベル型通信機器の残骸=18日、ベイルート郊外(AFP時事)

 【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は18日、レバノン各地で連続して爆発したポケットベル型通信機器について、イスラエルの工作員が製造に関与していたと報じた。身分を偽装した工作員を製造工程に潜り込ませ、ポケベルに爆薬を仕込ませていたとみられる。
 爆発したポケベルは、台湾メーカー「ゴールド・アポロ」が商標ライセンス契約を結び、欧州企業「BAC」に製造を委託。BAC社はハンガリーの首都ブダペストに拠点を置くが、同国高官は「貿易の仲介業者で、国内に製造拠点を持っていない」と説明している。実際にポケベルがどこで製造されたかは不明だ。
 同紙によると、イスラエル情報機関は身分を隠すためダミー会社を2社設立し、工作員をBAC社側に送り込んでいた。同社が受注したうちレバノン向けの製品に、工作員が高性能爆薬「PETN」を仕込んだ可能性がある。
 爆発で構成員ら多数が死傷したレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは、敵対するイスラエルによる通信傍受などを避けるため、ポケベル型機器を連絡手段として使用。2022年夏ごろからレバノン向けの出荷が始まり、ヒズボラ指導部が携帯電話を利用しないよう指示したことで、生産が拡大したという。 

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