野党ディサナヤカ氏勝利=現職落選、政権交代へ―スリランカ大統領選 2024年09月22日 14時36分
【コロンボ時事】スリランカ大統領選は22日、開票が進められ、選管発表によると、左派野党・人民解放戦線(JVP)のディサナヤカ党首(55)が勝利した。第1集計で過半数を得た候補がいなかったため、約42%を得たディサナヤカ氏と約33%だった中道野党・統一人民戦線(SJB)のプレマダサ党首(57)の得票上位2人で再集計が行われた。中道右派の現職ウィクラマシンハ氏(75)は落選し、政権交代が確実となった。
ディサナヤカ氏はX(旧ツイッター)に「私たちは共にスリランカの歴史を書き換える準備ができている」と投稿し、勝利宣言した。
スリランカの大統領選では、有権者は投票用紙の候補者欄に当選してほしい順に1~3の番号を記すことができ、再集計で上位2人の票数に反映される。選挙には40人弱が立候補。再集計にもつれ込んだのは初めてとなった。
ディサナヤカ氏は現政権の緊縮財政路線や汚職のまん延を批判。クリーンなイメージを打ち出して支持を広げた。国際通貨基金(IMF)との合意の一部見直しに言及しており、日本が取りまとめを後押しした債務再編にも影響が及ぶ可能性がある。
シーレーン(海上交通路)の要衝にあるスリランカは隣国インドに加え、中国が影響力拡大を競ってきた。次期政権下でも印中間でバランスを取る「中立路線の基本は維持される」(外交筋)見通しだ。