有事展開力「中国が米しのぐ」=昨年と逆転、警戒感示す―豪研究所 2024年09月22日 21時38分
【シドニー時事】オーストラリアのシンクタンク、ローウィー国際政策研究所は22日、「2024年アジア・パワー指数」報告書を公表し、アジアで紛争が起きた場合の中国軍の展開力が米軍を上回っていると分析した。中国軍が台湾を包囲する形での演習などで戦闘能力を高めていることに警戒感を示した格好だ。
報告書によると、予算、兵員、装備などを勘案した総合的な軍事力(満点=100)では、米国90.0、中国69.7と、米国が圧倒。しかし、「アジアの有事に迅速かつ持続的に展開する能力」に限ると、中国97.3、米国91.3と、中国が優位に立った。23年調査では米国が約2ポイント上回っていたが、18年の調査開始以来初めて逆転した。
報告書は「中国が総合的軍事力で米国を上回ることは当面ないものの、中国が台湾や南シナ海で自らの戦略的目標を達成する上で、それ(総合的軍事力で米国を上回ること)が必要になるわけではないことを示唆している」と指摘した。